「伝統行事をまとめて行うのは手抜きではないか」「神様に対して不作法にならないか」と不安を抱く親は少なくありません。結論から言えば、お宮参りとお食い初めの同時開催は宗教的にも儀礼的にも一切問題ありません。神社本庁や各地の主要神社への取材でも、「赤ちゃんと母親の体調、気候を考慮して時期を遅らせることは、むしろ神道の『生命を尊ぶ』観点に適っている」との見解で一致しています。
本来、お宮参りは生後30日前後(男の子は31日目、女の子は32日目など地域差あり)に氏神様へ無事の誕生を報告する儀礼であり、お食い初めは生後100日(百日祝い)に「一生食べ物に困らないように」と願う儀礼です。これらを同日に統合し、生後100日にお宮参りを遅らせる理由として、現場からは切実かつ合理的な要因が挙げられています。
最大の理由は、母親の産褥期の回復遅れと赤ちゃんの感染症予防です。生後1ヶ月時点の母親は、会陰切開の傷や帝王切開の術後痛、悪露(おろ)が続いており、長時間の外出や着物着用は極めて重い身体的負荷となります。また、生後1ヶ月の新生児は体温調節機能が未熟で、外気や人混みにさらすリスクが懸念されます。生後3ヶ月(約100日)を迎えると、体重は出生時の約2倍に達し、首がすわり始めるなど外見・内面ともに安定期に入ります。これこそが、多くの家庭が同日開催を選択する決定的な根拠となっています。