健康情報を取り巻く言説の中には、科学的根拠を欠いた「神話」が定着しがちです。桑の葉茶に関しても、早急に是正されるべき2つの大きな誤解が存在します。
一つ目の誤解は、「桑の葉茶を飲んでいれば、大盛りご飯やスイーツをいくら食べても太らない」という免罪符幻想です。DNJが阻害できるα-グルコシダーゼの活性には生化学的な飽和限界があります。過剰な糖質を暴飲暴食すれば、阻害しきれなかった糖は通常通り体内に雪崩れ込みます。あくまで桑の葉茶は「適切な食事管理による血糖コントロールを補助するツール」であり、乱れた食生活を帳消しにする魔法の盾ではありません。
二つ目の誤解は、「濃く煮出せば煮出すほど効果が高まる」という思い込みです。DNJなどの生理活性成分は熱に対して比較的安定していますが、過度の長時間の強火煮沸は茶葉に含まれるタンニンの過剰溶出を招き、鉄分などの必須ミネラルの腸管吸収を阻害する要因となります。ティーバッグなら熱湯で2〜3分蒸らす、あるいは微粉末を60〜80度程度のぬるま湯に溶かす適正な抽出温度を守ることが、有効成分を壊さず美味しく摂取するベストプラクティスです。