本作のドラマツルギーを完璧なものにしたのは、単なる恋愛劇に留まらない緻密な人物配置と、各キャラクターが抱える精神的葛藤です。
イ・ヨン(世子)/演:パク・ボゴム
幼少期に母(中殿)を毒殺されたトラウマから、冷淡で奔放な態度を装い朝廷の重臣たちを欺いてきた孤独な指導者。ラオンと出会うことで「愛すること」と「統治者としての責任」を同時に覚醒させていきます。パク・ボゴムが見せた、少年の無邪気さと君主の威厳が同居する演技は、アジア全域で社会現象を巻き起こしました。
ホン・ラオン(サムノム)/演:キム・ユジョン
逆賊の娘という出自を隠すため、幼い頃から母親に「男として生きろ」と強いられてきた過酷な過去を持ちます。自身のアイデンティティを封印して生きてきた彼女が、ヨンへの愛を通じて「一人の女性」として再生していく過程は、本作の最も感動的な核となっています。
キム・ユンソン/演:ジニョン(B1A4)
朝廷を牛耳る名門アンドン金氏の跡取りでありながら、権力争いに嫌気が差している天才絵師。ラオンが女性であることに誰よりも早く気づき、影ながら無条件の愛を注ぎ続けます。「世子の恋敵」でありながら視聴者から圧倒的な同情と絶賛を集めた悲劇の二番手貴公子です。
キム・ビョンヨン/演:クァク・ドンヨン
ヨン世子の幼馴染にして東宮殿の別監(護衛武士)。しかしその裏の顔は、反乱軍「白雲会」の構成員という二重スパイでした。「友としての忠誠」と「民衆解放の大義」の狭間で葛藤する彼の哀愁に満ちた佇まいは、物語に重厚な緊迫感を与えました。