実用面で「由もない」が用いられるパターンの大半は、特定の動詞と連動した慣用句です。代表的なコロケーションの構文を正しく把握しておくことで、文章の表現力は飛躍的に研ぎ澄まされます。
「知る由もない」の機能と自然な例文
検索頻度が際立って高い知る由もないの意味は、「それを知覚するための情報源、立場、状況が完全に欠如しており、知る手段が絶対にない」という強い確信を伴う客観的事実の提示です。第三者の内心や、遠く離れた場所で秘密裏に進められた決定などを描写する際に威力を発揮します。
実際の文脈で活用できる知る由もないの例文として、以下のような文面が挙げられます。
- 「新製品リリースの裏側で開発陣がどれほどの重圧と戦っていたか、当時の競合他社には知る由もなかった。」
- 「遠く離れた海外拠点で発生した組織再編の余波を、現場の新人スタッフがこの時点で知る由もない。」
「疑う由もない」の意味と広がり
もう一つの典型的な用法が「疑う由もない」です。疑う由もないの意味は、「疑いを持つための理由や根拠が1ミリも存在しない」「完全に信頼・確信できる」という強い確証を示します。
- 「彼が組織の再建に命がけで貢献してきた事実は、残された数字を見れば疑う由もない。」
- 「公的機関による第三者委員会の調査結果である以上、そのデータの信憑性は疑う由もない。」
これら以外にも、一般的なよしもないの例文としては「激しい嵐を前にして、我々にはただ通過を待つ以外になす由もなかった」のように、なす術を失った無力さを情感豊かに描くシチュエーションで機能します。