「北海道旅行=レンタカー必須」という固定観念は、札幌市内に限って言えば完全な誤解です。札幌の都市構造は、1869年の開拓使設置以降に整備された「条丁目制」と呼ばれる直交格子状の街区を基盤としています。この都市設計の恩恵により、観光客が目指す主要スポットは南北・東西の基軸周囲に極めてコンパクトに凝縮されています。
さらに注目すべきは、札幌駅から大通、すすきのへと続く総延長約1.9キロメートルに及ぶ日本最大級の地下歩行空間(チ・カ・ホおよび地下街ポールタウン・オーロラタウン)の存在です。天候や積雪に左右されることなく徒歩で移動できるうえ、南北線・東西線・東豊線の3本の市営地下鉄がこの骨格を強固に支えています。郊外の名所を除けば、目的地間の移動時間は地下鉄と徒歩を組み合わせて15分から20分圏内に収まります。
週末や祝日に圧倒的な費用対効果を発揮するのが、札幌市営地下鉄ドニチカキップ活用法です。大人は520円(平日の地下鉄専用1日乗車券は830円)という破格の設定で、地下鉄全線が1日乗り放題になります。札幌駅から大通、すすきの、円山公園、さらには白い恋人パークの最寄り駅である宮の沢駅までを往復するだけでも、通常運賃に対して初日だけで数百円以上のコスト削減が成立します。限られた1泊2日の旅程において、慣れない雪道や市街地渋滞でのレンタカー運転、高額なコインパーキング探しに神経をすり減らす必要は皆無です。