Q1:光のドップラー効果によって、赤い星が青く見えたりすることはあるのですか?
A1:光速の数十パーセントという極めて大きな相対速度で地球に急接近する恒星が存在すれば、可視光スペクトル全体が大きく青色側にシフトするため、人間の目にも青っぽく変化して見えます。ただし現実の宇宙では、恒星同士の局所的な移動速度は秒速数十〜数百キロメートル(光速の0.1%以下)程度であるため、肉眼で見分けがつくほど極端に色が変わることはありません。分光器による精密なスペクトル暗線のズレとして検出されます。
Q2:なぜ運動方向と垂直な「横ドップラー効果」が音にはなくて光にはあるのですか?
A2:音波の場合、波の周波数は「観測者の位置へ単位時間あたりに到達する波面の数」だけで決まるため、視線方向の速度成分がゼロ(直交移動)であれば変化しません。しかし光の場合、運動する光源の内部では特殊相対性理論の効果により「時間の進み方そのものが観測者より遅くなる」という現象が起きます。視線方向の速度がゼロであっても、光源の時間がゆっくり流れているために放たれる光の振動数が減少し、結果として赤方偏移が観測されます。
Q3:大学入試の高校物理で光のドップラー効果を解く際の最大の注意点は何ですか?
A3:問題文に「相対論を考慮しない(速度 $v \ll c$ とする)」と明記されているか否かを必ず確認してください。大半の高校物理の問題では低速近似式 $\Delta \lambda / \lambda \approx v/c$ を用いて音の波長短縮と同様の手順で解かせますが、難関大学の誘導付き大問では、時間の遅れ $\gamma$(ローレンツ因子)を考慮させる相対論的設問が出題されることがあります。問題文の前提条件を注意深く読み分けることが高得点の鍵です。