主演に抜擢された当時の刑務所のルールブック パク・ヘスは、韓国演劇界では押しも押されもせぬ名優であったものの、民放プライム帯ドラマの主演としては無名に近い存在でした。シン・ウォンホPDがあえてスター俳優を起用せず、彼を抜擢した決断は、放送開始直後からメディアで「最大の賭けであり最良の選択」と評されることになります。
感情を表に出さない愚直な野球選手キム・ジェヒョクを演じるにあたり、パク・ヘスは数カ月に及ぶプロの投球フォーム訓練を積みました。現場取材の記録によると、彼は感情を爆発させるのではなく「抑制の美学」を意識して役に挑み、理不尽な環境下でも自分を失わない主人公のペーソスを完璧に体現しました。
その親友役を務めた刑務所のルールブック チョン・ギョンホの存在も本作に欠かせない光を放っています。彼が演じたイ・ジュノ刑務官は、過酷な刑務所と観客をつなぐ「案内人」であり、親友ジェヒョクの再起を誰よりも信じる理解者でした。チョン・ギョンホの軽妙でありながら繊細な目の演技は、重苦しくなりがちな監房シーンに心地よいテンポをもたらしています。
さらに、ジェヒョクの恋人キム・ジホを演じた刑務所のルールブック クリスタル(チョン・スジョン)の演技力も見逃せません。アイドルグループ「f(x)」の洗練されたビジュアルを封印し、ショートカットで化粧気のない大学生を体当たりで好演。時に厳しく、時に献身的にジェヒョクを支える等身大の女性像を創り上げ、本格女優としての評価を決定づけました。