血圧の上と下の差は何を示す?脈圧の異常と潜む重大疾患の真相

血圧の上と下の差は何を示す?脈圧の異常と潜む重大疾患の真相

血圧の上と下の差は何を示す?脈圧の異常と潜む重大疾患の真相についての最新情報をお届けします。

世間の関心は血圧の開きに集まりがちですが、専門医が同様に警戒を強めるのが血圧の差が小さい原因です。脈圧が30mmHg未満、たとえば「上が95mmHgで下が75mmHg」というように上下の数値が極端に接近している状態は、循環器系が深刻な出力不全に陥っている可能性を指し示しています。

上下の血圧差が縮小する主因は、心臓が1回の拍動で送り出す血液量(1回拍出量)の著しい減少にあります。心筋梗塞後の心不全や心筋症によって心臓の収縮力が極度に落ち込んでいる場合、上の血圧を押し上げるだけのエネルギーが生み出せません。同時に、生体は血圧の低下を補うために自律神経を興奮させ、末梢の細い動脈を収縮させて抵抗を高めるため、下の血圧が高止まりして上下の幅が圧迫されるのです。

また、心臓の出口に位置する弁が硬化して開きにくくなる「大動脈弁狭窄症」でも同様の現象が起こります。狭い隙間からチョロチョロとしか血液が送り出せないため、収縮期の血圧上昇が頭打ちとなり、脈圧は著しく縮小します。重度の脱水症や出血性ショックの初期段階でも脈圧の急激な狭小化が観察されるため、数値の接近に伴って立ちくらみ、強い倦怠感、息切れを覚える場合は、一刻の猶予も許されない救急事態を疑う必要があります。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。