道路を走行中、交差点の信号機が「青」を示しているにもかかわらず、警察官が腕を水平に上げて静止を命じている場面に直面した場合、どちらに従うべきでしょうか。答えは迷うことなく警察官の手信号です。
道路交通法における手信号の位置づけは、同法第6条において極めて明瞭に規定されています。警察官および政令で定められた交通巡視員の手信号効力は、道路に設置された信号機の表示に優先すると定められているためです。たとえ頭上の信号が青色であっても、現場の警察官が進行停止の姿勢をとっていれば、直ちに停止線(または交差点の直前)で止まらなければなりません。
交通巡視員とは、警察署長等の指揮のもとで道路における交通の安全と円滑を図る公務員を指し、交通整理の権限に関して警察官と同等の強い法的拘束力を保持しています。信号機の故障時や災害時だけでなく、要人警護や大規模イベントによる交通規制時など、信号機と警察官手信号の違いを理解していないドライバーが「信号が青だったから」と進入して警察官に制止されるトラブルは、現場で後を絶ちません。警察官手信号の優先順位が最上位にあるという原則は、運転免許保持者全員が常に頭に刻んでおくべき基本鉄則です。