子供の身体に最適な座位環境を整えるためには、感覚に頼った目分量ではなく、確立された人間工学の数式を用いる必要があります。特に重要なのが、机の天板上面から椅子の座面上面までの垂直距離を示す「差尺(さじゃく)」と、踏ん張りを生み出す足置きの位置です。
失敗しない!学習机と椅子の差尺計算式
日本産業規格(JIS S 1021)や学校環境衛生の基準に基づき、子どもの骨格に負担をかけない学習机と椅子の差尺の計算は、以下の公式によって算出できます。
【理想の差尺算出式】
・基本計算式:座高 ÷ 3(実測可能な場合)
・身長からの推定式:(身長 × 0.55)÷ 3 または 身長 ÷ 6
例えば、身長120cmの子どもの場合、差尺はおよそ20cm〜22cmが適合値になります。一般的なリビングのダイニングテーブルは高さが70cm〜72cmで設計されていることが多いため、机の高さ70cmから差尺21cmを引いた「座面高49cm前後」が必要になる計算です。大人用の椅子(座面高40cm〜42cm)にそのまま座らせると、差尺が30cm近くまで広がってしまい、子どもは常に肩をすくめて肘を突き上げながら字を書くことになり、極度の肩こりや視力低下を招きます。
子供椅子の足置き(フットレスト)の高さ合わせ方
座面高が決まったら、次に絶対外せないステップが足置きの高さ調整です。確認すべきポイントは「3つの90度(直角)」です。
- 足首の角度:90度(足裏全体、つま先からかかとまでが足置き板に隙間なく接地している)
- 膝関節の角度:90度(大腿部の裏側が座面先端に強く圧迫されず、指1本分の隙間がある)
- 股関節の角度:90度(骨盤が前後に傾かず、左右の坐骨の2点に均等に体重が乗っている)
子供用ダイニングチェアの高さ調節においても、この「足裏全面接地」の原則は全く同じです。食事中に足をブラブラさせて遊び食べをしてしまう幼児の多くは、足裏の踏ん張りが効かないために咀嚼力(噛む力)が低下しているケースが少なくありません。足置き板を適切な位置まで引き上げ、しっかりと床を蹴る感覚を与えるだけで、食事中の集中と姿勢の崩れは劇的に改善します。