吉本新喜劇の60年を超える歴史の中で、最大の金字塔の一つが2017年7月に誕生した酒井藍の初女性座長就任です。
それまで男性社会の色合いが濃かった新喜劇のトップに、入団10年目・30歳という若さで抜擢された酒井藍。これは1969年に木村進が達成した「23歳での座長昇格」に迫る、平成以降では歴代最年少座長記録となりました。元奈良県警警察官という異色の経歴を持つ彼女の抜擢は、単なる話題作りにとどまらず、舞台を包み込む圧倒的な愛嬌と共演者の魅力を引き出す脚本センスが高く評価された結果です。
劇団内の「序列」と役割分担のリアル
吉本新喜劇の組織構造において、表面上の座長職と実際の劇場内での序列は極めて精緻に設計されています。
- 最高責任・統括:間寛平ゼネラルマネージャー(GM)
- 看板・興行責任者:現座長4名(すっちー、酒井藍、アキ、吉田裕)
- 専科(重鎮・ベテラン):桑原和男(故人)、池乃めだか、末成映薫、未知やすえ、内場勝則、辻本茂雄など
舞台の構成や合否の最終判断は当週の「座長」に一任されますが、劇場の控室や舞台裏では芸歴と功績に基づいた厳格な敬意が払われます。内場勝則や辻本茂雄といった元座長のレジェンド陣が「専科」として脇を固めることで、若き座長たちが思い切り暴れられる土台が形成されているのです。