東大教授の職を懲戒解雇された人物は、その後どのような道を歩むことになるのか。現実として、学術界における「懲戒解雇」の記録は消えることがなく、他大学や公的研究機関への再就職は極めて困難を極めます。
多くの元教員は、自らの専門分野から完全に退場を余儀なくされ、民間の非研究職へ転身するか、私設のコンサルタントや執筆活動に活路を求めることになります。海外の研究機関へ活路を見出そうとするケースもありますが、国際的な研究倫理データベース(Retraction Watch等)の普及により、不正の経歴は世界中に共有されるため、表舞台への復帰は極めて険しい道です。
一方、東京大学側も相次ぐ不祥事を重く受け止め、組織的なガバナンス改革と再発防止策を継続的に強化しています。
研究データの生データ(Raw Data)保存・提出の義務化をはじめ、外部の有識者を入れたハラスメント防止対策委員会や内部通報窓口の実効性向上、コンプライアンス研修の全教職員への受講義務化などが導入されました。個々の研究室が「密室化」しやすい大学特有の構造を是正し、不正の温床を排除するための組織改革が推進されています。