華々しい活躍が報じられる一方で、グループを離れた後に厳しい現実に直面し、芸能界を去ったメンバーも少なくありません。その背景には、若年期特有のメンタルヘルス問題と、芸能界特有の構造的課題が横たわっています。
渡辺麻友の引退劇は、その象徴的な事例と言えます。十代前半から「AKB48の優等生」としての重圧を背負い続け、プライベートを完全に犠牲にして完璧なアイドル像を演じ続けた結果、心身の限界に達したと報じられています。ファンコミュニティやSNS上でも、「最後までプロ意識を崩さず、引退後も一切の露出を断った彼女の生き様こそ本物のアイドル」と敬意を表する声が根強く存在します。
また、卒業後に一般社会へ転身する際の「スキルの非連続性」も大きな壁となってきました。十代の青春期を握手会とレッスンに費やした元メンバーは、ビジネスマナーや一般教養を学ぶ機会が限られがちです。この問題に正面から取り組んだのが元9期生の島田晴香です。
島田は芸能界をスパッと引退後、海外留学を経て一般企業で人事や広報を経験。その後、アイドルやタレントのセカンドキャリアを支援する事業を立ち上げました。彼女の手記やインタビューによると、「アイドル時代に培ったコミュニケーション力や度胸は、適切な教育と環境さえあればビジネス界でも強力な武器になる」と語られており、元アイドルたちの再就職やキャリア教育の重要性が議論される契機となりました。