蚊に狙われやすい人の体質には、感覚器官を刺激する複数のバイオマーカー(生体指標)が関わっています。蚊(主にヒトスジシマカやアカイエカ)のメスは産卵のために動物の血液を必要としますが、その索敵システムは極めて精密です。
最も大きなトリガーとなるのが二酸化炭素の排出量です。蚊は頭部にある触角の感覚毛で大気中の二酸化炭素濃度の上昇を検知し、数メートルから数十メートル離れた場所からでも発生源へと直進します。運動直後の人、呼吸が深くなりがちな大柄な人、基礎代謝が高い人は、それだけで蚊の探知レーダーに捕捉されやすくなります。
次に影響するのが体温と汗に含まれる成分です。蚊は赤外線センサーのように周囲との温度差を捉え、温かい皮膚へと接近します。さらに汗に含まれる乳酸、アミノ酸、アンモニアなどの揮発性成分に強い嗜好性を示します。汗をかいてそのまま放置している状態は、蚊に対して強力なフェロモンを放っているのと同等の状態といえます。