本作が巻き起こした波紋は、単なる一アーティストの反抗劇にはとどまらなかった。日本の音楽産業全体に対し、表現者が巨大な企業資本とどのように対峙すべきかという根本的な問いを突きつけたのである。商業主義優先の音楽ビジネスに対する強烈なアンチテーゼとして、RCサクセションの行動は語り継がれている。
それまでの邦楽ロックは、社会的な主張を避けて甘い恋愛や抽象的な世界観を歌う傾向が強かった。しかし、清志郎が示したアティチュードは後続のバンドやシンガーソングライターたちに多大な影響を与えた。自身の言葉で社会を撃ち抜く姿勢は、日本のロックシーンにおける表現の幅を爆発的に広げる転換点となったのである。