80年代のテレビ局は、アイドルの魅力を最大化する装置であると同時に、過酷な比較の場でもあった。TBSテレビの『ザ・ベストテン』がリアルタイムの数字で競争を煽る一方、フジテレビの『夜のヒットスタジオ』などは、華やかな共演演出でそれぞれの個性を際立たせた。テレビカメラが捉える一瞬の表情、歌唱後のコメント、立ち位置の細部に至るまで、視聴者は「誰と誰の仲が悪いか」を嗅ぎ取ろうと目を凝らしていた。
メディアが作り出した巨大な虚像のイメージと、生身の少女たちの実像とのギャップ。フジテレビの楽屋廊下で聞こえた笑い声や、TBSの控室で見せた疲弊した表情など、カメラの回っていない場所での彼女たちの素顔は、画面越しの印象とは大きく異なっていた。