自伝的要素の強かった傑作『The Hand of God - 神の手に守られて』において、悲劇と喜劇が隣り合わせの青春群像劇を見事に描き切った記憶は記憶に新しい。しかし、今回の新たな試みはその達成すらも過去のものとし、さらに深い人間の心理的深淵へと足を踏み入れている。
単なる個人的な郷愁の昇華にとどまらない。普遍的な家族の絆、愛憎、そして運命の不条理を容赦なく暴き出す濃密なヒューマンドラマとして昇華されているのだ。生と死が背中合わせに存在する街の空気感が、登場人物たちの葛藤をより一層浮き彫りにする。観る者の感情を激しく揺さぶるストーリー展開は、まさに圧巻の一言に尽きる。