彼女のキャリアを紐解く上で外せないのが、舞台で研鑽を積んだ確かな演劇的知性だ。テレビ朝日やNHKをはじめとする主要放送局のドラマ枠で魅せた情感豊かな芝居は、長年にわたりお茶の間の記憶に焼き付いている。サスペンスの緊張感から重厚なヒューマンドラマまで、役に命を吹き込むその技術は一朝一夕で育まれたものではない。
舞台の生々しい現場で培われた集中力は、現在の創作活動の強固な基盤となった。言葉を使わない作品の裏側にも、まるで一篇の戯曲を観ているかのような深いストーリー性が宿る。それは彼女自身が女優として命を削り、人間を見つめ続けてきた証左でもある。