家族の絆が最も濃密な形で結実したのが、2005年に公開された大森立嗣監督の長編デビュー作『ゲルマニウムの夜』です。
芥川賞作家・花村萬月氏の過激な原作を映画化した本作において、監督を務めた長男・立嗣さんは、修道院の絶対的権力者である院長役に父・麿赤兒さんをキャスティング。さらに弟の大森南朋さんも重要な脇役として出演を果たしました。単なる「話題作りの家族共演」ではなく、息詰まる緊張感の中で芸術的妥協を一切排した演技合戦が繰り広げられ、映画関係者の間でも伝説的なコラボレーションとして語り継がれています。
また、その後も立嗣監督の『まほろ駅前多田便利軒』(2011年)や『タロウのバカ』(2019年)などに南朋さんが出演。フジテレビ系トーク番組『ボクらの時代』などでは、3人が揃ってメディアに登場し、ぶっきらぼうながらも深い敬意がにじみ出る独特の家族トークを披露して大きな反響を呼びました。
テレビ関係者の証言によると、「カメラが回っていない場でも、お互いを『お父さん』『息子』とベタベタ呼ぶことはなく、一人の表現者として程よい緊張感を保っている」とされ、仕事仲間としての厳格な距離感が親密なコラボレーションを可能にしています。