文旦の重量の約40〜50%は外皮が占めています。農薬の安全基準を満たした国産文旦の皮をそのまま捨ててしまうのは非常に惜しいことです。皮の苦味を旨味に変える調理法と、果肉を使った極上アレンジを紹介します。
ほろ苦さと甘みが癖になる「文旦ピール」の作り方
お茶請けや洋酒のお供として愛されるピール(砂糖漬け)は、下処理の「茹でこぼし」が成否を分けます。
- 外皮をよく水洗いし、白い綿(アルベド)を適度に残したまま、幅7〜8mmの短冊状に切り揃えます。
- たっぷりの熱湯で皮を茹で、沸騰したら湯を捨てる「茹でこぼし」を3回繰り返します。これにより、過剰な苦味成分(ナリンギン)を抽出し、心地よい風味だけを残します。
- 下茹でした皮を一晩水にさらした後、しっかり水気を絞ります。
- 鍋に皮を入れ、皮の重量の70〜80%のグラニュー糖と少量の水を加え、弱火で水分がなくなるまでじっくり煮詰めます。
- クッキングシートの上に並べて半日〜1日陰干しし、仕上げにグラニュー糖をまぶせば完成です。先端にビターチョコレートをコーティングすれば、高級ショコラティエ顔負けの「オランジェット風」に仕上がります。
果肉がゴロッと残る「文旦マーマレードジャム」の作り方
細かく刻んで茹でこぼした皮と、ほぐした果肉を合わせたジャムは、トーストはもちろんヨーグルトや紅茶に最適です。果肉と皮の総重量に対して50〜60%の砂糖、少量のレモン果汁を加え、中火から弱火でとろみがつくまで煮込みます。文旦に含まれる天然のペクチンによって自然なとろみがつき、爽やかな香気あふれるジャムに仕上がります。
食卓が華やぐ「文旦と生ハム・ルッコラの贅沢サラダ」
果肉の水分が多すぎずプチプチと弾ける文旦は、洋風の料理素材としても抜群の存在感を発揮します。
ほぐした文旦の果肉に、生ハムの塩気、ルッコラのほのかな苦味、角切りにしたアボカドを合わせます。味付けは上質なエクストラバージンオリーブオイル、白ワインビネガー、少量の岩塩、粗挽き黒胡椒のみ。文旦の甘酸っぱさが生ハムの脂の旨味を引き締め、レストランの前菜のような洗練された一皿が完成します。