実際の開票現場で、白紙投票がどのように扱われているかを知る人は少ない。各地の選挙管理委員会が設置する開票所では、迅速な確定を目指して毎分数百枚のスピードで用紙が機械に吸い込まれていく。
文字が記載されていない白紙の用紙は、機械によって即座に「疑問票・無効票」のトレイへと弾かれる。その後、立会人の確認を経て「無効」のハンコが押され、束ねられて封印されるだけだ。総務省に報告される集計シートにも、ただ「無効票数」という単一の桁数が並ぶに過ぎない。
「白紙が全体の2割を超えたら選挙をやり直すべきだ」といった風説も定期的に流布されるが、現行法において無効票がどれだけ積み上がろうと、有効票の最上位者がそのまま当選する。現場において、白紙はただの作業上の例外処理であり、政治的メッセージとして読まれる余地は1ミリも残されていない。