映画関係者の間で特に議論を呼んでいるのが、手法のハイブリッド性だ。日本映画監督協会の内部でも、虚構と現実の境界を曖昧にするその撮影技術は高く評価されている。綿密に構成された脚本を用いながら、現場ではドキュメンタリー映画の手法を大胆に取り入れる。
街頭でのゲリラ的な撮影や、素人の起用によって生まれる予測不可能なノイズ。それらを巧みに物語の推進力へと変えていく。作為的な演出を極限まで排除することで立ち現れる生々しい質感は、観客に対して「いま見ているものは作り話なのか、それとも現実の記録なのか」という強烈な問いを突きつける。