東通原子力発電所「再稼働」2026年現在地——安全審査と地元拒絶の狭間

東通原子力発電所「再稼働」2026年現在地——安全審査と地元拒絶の狭間

東通原子力発電所「再稼働」2026年現在地——安全審査と地元拒絶の狭間の重要ポイントをお届けします。最新トレンドが詰まっています。

東通原発の建設経緯を振り返ると、そこには日本の高度経済成長期から続く「国策としての原発立地」の縮図がある。東通村への原発誘致は1960年代に遡り、過疎と財政難に苦しむ村が、電源三法交付金や固定資産税収入を目当てに受け入れた経緯がある。東北電力が正式に1号機の建設計画を発表したのは1970年代で、地元との交渉は長期に及んだ。住民の反対運動もあったが、村政を握る誘致推進派が計画を推し進め、1998年に1号機の建設工事が本格着工。2005年12月にようやく営業運転を開始した。

だが、その直後に東日本大震災が発生し、東通原発は1号機の稼働実績がわずか5年余りという短さで停止に追い込まれた。2号機に至っては建設途中で工事が止まり、総額で数千億円規模の投資が回収不能の状態で放置されている。東北電力の公式決算資料によれば、東通原発関連の資産除去や減損処理はすでに一部で実施済みだが、再稼働を前提とした資産計上も残っており、経営判断としても「撤退」を明確にできないジレンマがある。

石川 優花
著者

石川 優花

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。