ここまで読んで「結局何を入れればいいのか」と迷った方のために、編集部の結論を提示する。
◆迷ったら「はちみつ」を選べ。ただし、その前に理由を決めろ。
隠し味は目的によって選ぶべきだ。コクを出したいなら「はちみつ」「味噌」、酸味と爽やかさを足したいなら「ヨーグルト」「ウスターソース」、香りと苦味で大人向けにしたいなら「インスタントコーヒー」「チョコレート」、パンチ力を出したいなら「にんにく」「しょうが」——これが失敗しない大原則である。
逆に、以下の条件に当てはまる人は隠し味を増やしすぎない方がいい。具体的には「カレーに明確な不満がない人」「スパイスカレーを作っている人」「市販ルーではなくカレー粉から作る人」だ。スパイスカレーはすでに複合的な味のバランスで成立しているため、はちみつや味噌のような強い発酵・糖質系素材は、その繊細な風味を破壊するリスクが高い。隠し味は「市販ルー」という完成されたベースがあるからこそ効果を発揮するテクニックだということを忘れてはならない。
料理研究家の山本氏は「隠し味の最大の敵は“欲張り”」と指摘する。「2種類以上入れるなら、それぞれの量を単体の半分にする。隠し味同士が喧嘩した瞬間に、カレーは台無しになる」。この言葉は、家庭でカレーを作り続けてきた多くの失敗例と一致する。