ミソジニーの具体例は、あからさまな罵倒だけでなく、日常の些細な言動の中に潜んでいます。本人が悪意を持たない「無自覚な性差別(アンコンシャス・バイアス)」として表出するケースが多いため、問題の所在が見えにくくなる傾向があります。
代表的な場面として、以下のような事例が挙げられます。
職場において、同じ業績を上げているにもかかわらず、男性のリーダーシップは「決断力がある」と評価され、女性の自己主張は「攻撃的」「生意気」「ヒステリック」と形容される現象があります。また、会議の席で女性にお茶出しや議事録作成などの補助的業務が無意識に割り振られたり、女性役員の登用に対して実力ではなく「女性枠だから優遇された」と見なす言説も典型例です。
メディアやネット空間における「ルッキズム(外見至上主義)と結びついたジャッジ」も顕著です。女性政治家や専門家の発言内容ではなく、メイクや服装、体型、既婚か未婚かといったプライベートな属性ばかりが論評されるのも、女性を「評価される客体」に留め置こうとするミソジニーの表れといえます。