ネット上の情報や就活サイトでは「製薬会社=安定した超高給産業」「外資系は給料が高いが全員クビになる」「MRは全員AIに代替されて絶滅する」といった単純化された言説が氾濫していますが、これらは実態と大きく乖離しています。
第一の誤解は、「外資系製薬は全員が短期間で解雇される」という言説です。実際には外資系であっても、日本の労働基準法が適用されるため、法外な即時解雇が横行しているわけではありません。PIP(業績改善プログラム)などの運用は厳しいものの、パイプラインの豊富な外資系企業であれば、別の事業部や他社へのキャリアパスが極めて豊富に用意されており、優秀層にとっては内資系以上の安定したキャリア資産を築ける環境が整っています。
第二の誤解は、「MR完全不要論」です。確かに生活習慣病などのプライマリー領域におけるコモディティ化した医薬品では、訪問型営業の価値は著しく低下しました。しかし、がん、希少疾患(オーファンドラッグ)、再生医療等製品といったスペシャリティ領域では、複雑なバイオマーカーの知識や副作用マネジメントの高度な情報提供が不可欠であり、専門知識を持ったスペシャリティMRの需要はかつてないほど高まっています。不要とされているのは「単なるカタログ配布員」であり、高度専門職としてのMRはむしろ引く手あまたです。