高給取りとして羨望の眼差しを向けられがちな大学教授ですが、ネット上や一般社会で持たれているイメージと実際の現場には、無視できないギャップが存在します。
誤解1:「科研費(公的研究費)で私腹を肥やしている」というデマ
ネット上の掲示板やSNSで頻繁に見られる「科研費(科学研究費助成事業)を数千万円獲得して潤っている」という認識は完全な誤解です。科研費をはじめとする公的研究資金は、研究備品の購入や実験試薬代、大学院生への謝金など使途が厳密に制限された公金であり、教授個人の給与やポケットマネーにすることは1円たりとも許されません。不正流用は即座に懲戒解雇および刑事告訴の対象となります。
誤解2:「授業が週に数コマだけで優雅な高給取り」の嘘
「講義がない時間は自由時間」というのも実態を見誤った見解です。現代の大学教授は、講義や学生の卒業論文指導に加え、入試問題作成・採点、オープンキャンパス対応、各種学内委員会の運営、文部科学省向けの膨大な書類作成など、過密な事務作業に追われています。
関係者への聞き取り調査や大学教員の手記からは、「教育と大学行政の雑務に平日の大半を奪われ、本来の専門研究を進められるのは土日や深夜の私的時間を削った時間だけ」という悲痛な叫びが漏れ聞こえます。時給換算すれば決して割に合わないと語る研究者も少なくありません。