「生姜の佃煮を作ったものの、辛すぎて舌が痺れてしまう」という失敗の根本原因は、下処理の省略にあります。生姜の主たる辛味成分である「ジンゲロール」は水溶性であり、熱湯に溶け出す性質を持っています。この特性を活かした生姜の佃煮における辛味抜きの手順こそが、万人受けする味わいを作る決定打となります。
まず下準備として、生姜の皮は包丁で厚く剥くのではなく、スプーンの縁やアルミホイルを丸めたもので軽くこそげ取ります。生姜の最も香り高い精油成分は皮の直下に集中しているため、剥きすぎると風味が損なわれてしまいます。泥や黒ずんだ部分だけを取り除いたら、細切りにして鍋にたっぷりの湯を沸かします。
沸騰した湯に生姜を投入し、中火で約5分間下茹でしてザルに上げる「茹でこぼし」を行います。辛味に敏感な子ども向けや、マイルドな仕上がりを好む場合は、この茹でこぼし工程を2回繰り返すことで、刺激的なピリピリ感を60〜70%程度低減させることが可能です。茹で上がった生姜はしっかりと水気を切ることで、後から加える調味料が薄まらず、短時間でしっかりと味が浸透します。