近藤兄弟の成長を語る上で欠かせないのが、父・義男さんの存在です。義男さんは中学校の教員(体育教師・野球部顧問)を務めており、後に校長も歴任した教育のスペシャリストでした。
昭和的なスパルタ指導や根性論が主流だった時代において、義男さんの指導法は極めて先進的でした。怒鳴って命令するのではなく、「なぜ打てなかったのか」「今のスイングはどう感じたか」と選手自身に問いかけ、思考と身体感覚を言語化させる対話型のアプローチを徹底していたのです。
実家の庭にはネットを張った特製バッティングスペースが作られ、兄弟は日が暮れるまでトスバッティングに明け暮れました。父はボール出しを手伝いながらも、細かなフォームを押し付けることはせず、自分の力で理想のスイングを見つけ出す過程を辛抱強く見守りました。この「自律的に課題を分析する習慣」こそが、近藤選手の球界随一とされる選球眼と状況判断力の源泉となっています。