ネット掲示板やSNSでは「年収600万円あれば勝ち組」という言説と「年収600万円でも貧困感を覚える」という主張が真っ向から対立しています。年収600万 勝ち組の真実を掘り下げると、そこには所得階層特有の心理的トラップと制度の壁が存在します。
行動経済学における「相対所得仮説」が示す通り、人間は絶対的な金額よりも周囲との比較によって幸福度を測る傾向があります。年収600万円に到達した層は、勤務先の同僚や取引先、住環境がグレードアップすることにより、周囲の消費水準に無意識に合わせてしまう「見栄のコスト」が発生しがちです。
さらに、社会政策における「中所得層の空白地帯」も負担感を助長しています。低所得世帯向けの手厚い給付金や各種減免措置の対象外となる一方で、富裕層のような圧倒的な資産力はないため、税金と社会保険料の負担感だけを強く背負わされる格好になります。児童手当の所得制限撤廃など制度改善は進んでいるものの、高校授業料無償化の制限基準や大学無償化の対象判定において、年収600万〜800万円世帯は最も制度の恩恵と負担の狭間で苦慮しやすいポジションにあります。