市販の柔軟剤を使わずにクエン酸だけでタオルがふんわり仕上がる秘密は、pH(酸性・アルカリ性)の中和反応にあります。一般的な洗濯洗剤(弱アルカリ性〜中性)で洗った後の衣類には、目に見えない微量のアルカリ成分が残留しがちです。このアルカリ残留物が繊維を固くこわばらせ、ゴワつきの原因になります。すすぎの段階で弱酸性のクエン酸を投入すると、繊維に残ったアルカリ分が綺麗に中和され、糸本来のしなやかさと弾力が蘇ります。
さらに注目すべきは消臭と黄ばみ防止のメカニズムです。汗や尿に含まれるアンモニア成分はアルカリ性であるため、酸性のクエン酸が化学的に結合して臭いを無力化します。また、室内干しで発生する生乾き臭の主原因である「モラクセラ菌」などの雑菌はアルカリ環境下で繁殖しやすいため、衣類を弱酸性側に整えておくことが菌の増殖を抑える強力なバリアとなります。
市販の柔軟剤は繊維の表面を油分(界面活性剤)でコーティングすることで滑らかさを生み出しますが、これが原因でタオルの吸水性が落ちてしまう現象が起こります。対してクエン酸は繊維そのものを自然な状態へ戻すため、「吸水性を一切落とさずに柔らかく仕上げる」という、日常使いにおいて理想的な仕上がりを実現します。