「The New Batch」とは?グレムリン2新種誕生の真相と裏話

「The New Batch」とは?グレムリン2新種誕生の真相と裏話

「The New Batch」とは?グレムリン2新種誕生の真相と裏話について専門的な視点から解説いたします。詳細な分析をお届けします。

なぜスタジオ映画でありながら、ここまで破天荒な作品が誕生したのか。その背景には、ハリウッド史上に残る「監督とスタジオの駆け引き」がありました。ワーナー・ブラザースは第1作の直後から続編を熱望していましたが、監督のジョー・ダンテは「第1作で物語は完璧に完結している」としてオファーを拒否し続けていました。脚本開発が難航し業を煮やしたワーナーは、ダンテに対し「5,000万ドルの巨額予算と完全な創作の自由、一切の口出しをしない」という破格の条件を提示したのです。

ジョー・ダンテ 監督 演出の神髄は、まさにこの白紙委任状を得た瞬間に解き放たれました。ダンテは「続編を無理やり作らせるハリウッドの商業主義」そのものを映画の標的に設定。劇中では自作のルール(水に濡らすな、光を当てるな、真夜中過ぎに食べさせるな)の矛盾を登場人物自身に突っ込ませ、映画批評家レナード・マルティン本人を劇中に登場させて前作を酷評させた直後にグレムリンたちに襲撃させるなど、ブラックユーモアの限りを尽くしました。

その極致と言えるのが、グレムリン2 裏話 ハルク・ホーガンにまつわる伝説のシーンです。上映開始から中盤、突然スクリーン上のフィルムがカタカタと音を立てて白く焼き切れ、映画が上映中止に追い込まれます。暗転した映画館の映写室をグレムリンたちが占拠し、影絵で悪ふざけを始めたところで、実在のプロレス界のスーパースター、ハルク・ホーガンが映画館の客席から立ち上がります。シャツを引きちぎりながら「映画を止めやがって!今すぐ『グレムリン2』の続きを上映しろ!」とカメラに向かって咆哮し、グレムリンたちを恐怖で平伏させて上映を再開させるという、映画の虚構枠組みを破壊する「第四の壁」の演出が敢行されたのです。

さらにダンテの狂気は劇場だけに留まりませんでした。後に発売されたVHSビデオ版では、フィルムが焼き切れる代わりに「ビデオテープの磁気ヘッドが故障して砂嵐画面になる」という専用の別演出を用意。そこではホーガンの代わりに西部劇の大スター、ジョン・ウェインのクリップ映像が挿入され、グレムリンをライフルで射殺するという手の込みようでした。メディアの物理的特性までも自覚的に演出へと組み込む姿勢は、今日の実験的映画作家たちを今なお驚嘆させています。

作品を彩ったグレムリン2 キャスト 現在の足跡を辿ると、ビリー役のザック・ギャリガンはその後も『グレムリン』シリーズの象徴的アンバサダーとしてファンイベントや関連企画で第一線に立ち続けています。ケイト役のフィービー・ケイツは90年代半ばに家庭を優先して俳優業を事実上引退し、ニューヨークでブティックを経営。また、マッドサイエンティストのカテーテル博士を怪演した名優クリストファー・リーは2015年に惜しまれつつ世を去りましたが、メディア王ダニエル・クランプを演じたジョン・グローヴァーは名バイプレーヤーとして数々のドラマで今なお円熟の演技を披露しています。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。