文脈によって議論が白熱する数字の筆順問題ですが、結論から言えば、日本の初等教育における小学校算数数字の筆順としては「左上の縦棒から書き始める」のが公教育の確固たる共通見解です。具体的には、数字の5書き始めは左上の短い縦棒(第1画)であり、そのままペンを離さずに右へ膨らむカーブ(第2画)を描き、最後に一番上の横棒(第3画)を左から右へと引き載せます。
かつて自分自身が「一番上の横棒から一筆書きのように書いていた」という保護者からは、5の書き方どっちが正解なのかと混乱する声が後を絶ちません。しかし、東京書籍や光村図書出版といった大手教科書会社が発行する小学1年生向けの算数教科書および書写の手引では、例外なく「縦棒が1画目、上の横棒は3画目」と明確に規定されています。
では、5の書き順なぜその順番でなければならないのか。その深層には、文字造形学上の合理的な力学が隠されています。一番上の横棒を最初に引いてしまうと、そこから下ろす縦棒の位置や角度がブレやすく、結果として下部の膨らみが極端に小さくなったり、右に傾斜して数字の「3」や「6」に誤認されやすくなります。骨組みとなる中心の縦軸を先に決め、重心となるお腹の曲線を着地させた上で、屋根となる横棒を最後に被せることで、誰でも数字の正しい書き順真相に則った歪みのない安定した文字が書けるよう設計されているのです。