制度としては存続しているものの、現場の社員たちはこの状況をどのように捉えているのでしょうか。転職口コミサイトやSNS、知恵袋に集まる数百件の現役社員・OBの声を分析すると、部署やグループ会社による温度差が浮き彫りになってきます。
NTTドコモやNTTデータに所属する企画職・ソフトウェア開発職の社員からは、総じて満足度の高い声が目立ちます。
「地方の実家に拠点を移し、月に数回だけ品川や豊洲の本社へ出張感覚で出社している。生活コストが劇的に下がり、育児や介護との両立が完璧にできている」(30代・企画系社員)
「満員電車のストレスから完全に解放された。成果物ベースで評価されるため、無駄な社内政治に付き合う時間が激減した」(40代・SE社員)
一方で、NTT東日本や西日本などの地域会社、あるいは設備保守を担うフィールドエンジニアからは、不満や葛藤の混じったリアルな証言も散見されます。
「本社企画部門が完全リモートを満喫する一方で、現場の回線工事や保守は毎日出社が当たり前。同じグループ内でこれほど生活環境に差があるのは、正直不公平感を覚える」(20代・フィールド系社員)
「新人配属後のOJTがチャットと画面共有ばかりで、先輩が何を考えているのか汲み取れない。結局、自発的に出社してオフィスにいる先輩をつかまえて質問している」(入社2年目社員)
ネット上の「廃止」という噂は、こうした現場社員たちの「全員が平等に在宅勤務できるわけではない」という現実や、育成上の課題に直面したミドルマネジメント層の焦燥感が断片的に漏れ出た結果とも言えるでしょう。