神崎八段の棋歴を振り返るうえで欠かせないのが、その高名な師弟関係です。神崎八段の師匠は、昭和の関西将棋界において「灘流」と称される豪快かつ緻密な指し手で一時代を築いた故・灘蓮照九段です。和歌山県和歌山市出身の神崎八段は、早くからその才能を見出されて灘門下に入門し、厳しい関西奨励会の荒波を乗り越えてきました。
1986年11月、22歳のときに棋士番号179として四段昇段(プロ入り)を達成。当時の関西若手陣の中でも、筋の良さと終盤の切れ味を併せ持つ本格派として頭角を現しました。その後、1990年に五段、1994年に六段、1998年に七段へと順調に昇段を重ね、2016年には勝数規定などを満たして八段への昇段を果たしています。
通算成績においても、数百勝に及ぶ勝ち星を積み上げており、タイトルホルダーやA級棋士経験者からも数多くの金星を挙げてきました。派手なパフォーマンスを好まず、盤上での礼儀作法や対局姿勢を重んじるその佇まいは、師匠である灘九段から脈々と受け継がれてきた「関西棋士の美学」を体現しています。