順風満帆に見えたミドルトン家の富の基盤に亀裂が入ったのは、記憶に新しい近年のことです。一家の財政的バックボーンであった「パーティ・ピーシーズ」は、新型コロナウイルスの世界的流行に伴うロックダウンによって致命的な打撃を受けました。集会や結婚式、大規模な誕生日会が法律で禁じられたことで、パーティー需要は瞬く間に蒸発したのです。
英破産庁(Insolvency Service)および管財人の公表資料によると、会社は約260万ポンド(約5億2000万円)の負債を抱え、2026年5月に経営破綻(民事管理手続き入り)しました。事業自体は起業家ジェームズ・シンクレア氏のグループへ事前合意型事業譲渡(プレパック・アドミニストレーション)の形で売却されたものの、巨額の負債は棚上げされた形となりました。
深刻だったのは、債権者リストに英国歳入関税庁(HMRC)への未払い税金約60万ポンドに加え、包装資材やガスボンベ、印刷などを請け負っていた中小の地元サプライヤーが多数含まれていた点です。地元バークシャー州の商店主らからは、「長年信頼して取引してきたのに、支払いが踏み倒された」「王室の親戚を名乗りながら不誠実だ」といった怒りの告発が相次ぎました。
当時、バックルベリー周辺の街灯や掲示板には、キャロル氏を糾弾する抗議ビラが何者かによって貼り出される事態にまで発展しました。SNS上でも「一般庶民の業者を泣かせて豪邸に住み続けるのか」という批判が噴出。地元紙の取材に対し、ある仕入れ業者の代表は「会社の清算費用すら管財人に支払えない状態だと聞かされた。長年築いてきた信頼関係が粉々に砕け散った」と悲痛な胸の内を語っています。