店頭に足を踏み入れた瞬間、誰もが目を疑うのが値札に刻まれた数字の小ささです。スーパーの特売でも見かけない50円〜100円台の生菓子が平然と平台に積み上げられています。この驚異的なプライシングの裏側には、緻密なサプライチェーンと食品ロス削減の合理的な製造構造が存在しています。
株式会社ドンレミーは、大手コンビニチェーン各社のプライベートブランドやチルドデザートを年間数千万個規模で受託製造する国内屈指の洋菓子メーカーです。近代的なオートメーション工場では、1日に何万本ものロールケーキやミルクレープが製造ラインを流れます。しかし、完璧な円筒形を求める正規品のパッケージング規格に適合させるため、どうしても両端の「切れ端」や、表面の焼きムラ、クリームのわずかな気泡といった理由で弾かれる「規格外品」が一定比率(製造全体の約3〜5%)発生します。
従来であれば産業廃棄物や飼料原料として処分コストをかけていた余剰部分を、自社運営のアウトレット店舗で直接消費者へ還元することで、廃棄コストをゼロにしつつ輸送費を最小限に抑えるビジネスモデルが構築されています。つまり、原材料やクリームの品質は全国のコンビニで200円〜300円台で流通している正規品と完全に同一でありながら、製造ロスをマネタイズする仕組みによって驚きの低価格が成立しているのです。