この不可解にも思えるランキング変動を理解するには、現行の男子バレー世界ランキングポイント計算方法を把握しておく必要があります。2020年以降、FIVBは従来の「大会最終順位に基づく加点方式」を廃止し、「アルゴリズムを用いた試合ごとのレーティング算出方式(Eloレーティング変形版)」を導入しました。
この仕組みの要点は、試合前の両国のレート差から「統計的な勝敗予測」を算出し、実際の結果との差分でポイントが移動する点にあります。
- 対戦相手の格付けによる係数:上位国が下位国に勝っても得られるポイントはごく僅か(例:+1.0〜+2.5pt程度)。逆に下位国に敗北すると、1試合で15〜20ポイント以上の壊滅的なマイナスを被る。
- セットカウントの絶対性:3-0のストレート勝利が最も評価され、3-1、3-2の順に獲得ポイントは激減。3-2のフルセットの場合、相手のランクによっては「勝者から敗者へポイントがマイナスされる」逆転現象すら起こり得る。
- 大会重要度(係数):世界選手権や五輪は係数が高く設定されており、ネーションズリーグ男子順位争いでも1試合の重みが極めて大きい。
つまり、日本代表が上位を維持するためには、ただ勝利するだけでなく「勝つべき相手には3-0で完勝する」という冷徹なゲームマネジメントが義務付けられているのです。