報道直後、読売巨人軍と原氏は「記事は事実無根であり、反社会的勢力への資金提供を認めたかのような印象操作で著しい名誉毀損を受けた」として、発行元である文藝春秋に対し、3,000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める民事訴訟を東京地裁に起こしました。ここから数年に及ぶ法廷闘争が繰り広げられることになります。
裁判の争点は、主に2点に絞られました。第1に「現金を支払った相手が反社会的勢力(元暴力団員)であったと原氏が認識していたか」、第2に「週刊文春の記事に真実性、または真実と信じるに足る正当な理由(真実相当性)が存在したか」です。
司法の場において、週刊文春側は徹底した取材記録と裏付け証言を提出。金銭を受け取った人物の過去の経歴や暴力団組織との接点、金銭授受の生々しい現場状況が法廷で暴かれていきました。その結果、裁判所は極めて踏み込んだ判断を下します。
裁判結果として確定したのは、原氏および巨人側の全面敗訴でした。東京高裁は判決理由において、「原告(原辰徳氏)が金銭を支払った相手が反社会的勢力と密接な関係にある人物であったこと、および取材に基づき真実であると信じるにつき相当な理由があった」と認定。巨人と原氏が名誉毀損で訴え出た法廷闘争は、皮肉にもスキャンダルの真実性を司法が公に追認する結末となったのです。