甘夏を食べる際、最大の障壁となるのが「分厚く硬い外皮」と「しっかりした薄皮(じょうのう膜)」です。素手で力任せに剥こうとすると爪の間に精油が入り込んで痛んだり、果肉が潰れて果汁が溢れたりしてしまいます。ストレスなく果肉だけを取り出すには、プロの料理人も活用する包丁テクニックが最も効果的です。
包丁を使って甘夏の薄皮の剥き方をマスターするなら、「カルチェ(房取り)」と呼ばれるフレンチの手法が役立ちます。まず甘夏の上下(ヘタとお尻の部分)を果肉が見える位置まで水平に切り落とします。平らになった底面をまな板に安定させ、上から下へカーブに沿ってリンゴの皮を剥くように外皮を白いワタごと削ぎ落とします。丸裸になった果肉の薄皮と薄皮の間にV字に包丁を入れれば、薄皮を一切残さず、つるりとした美しい果肉(房)だけが一瞬で外れます。
もっと日常的に手軽なおやつとして楽しみたい場合は、くし形に切る甘夏のスマイルカット切り方が最適です。ヘタを上にして縦半分に切り、さらにそれを3〜4等分のくし形にカットします。中心の白い芯の部分を包丁で薄く切り落としたあと、皮と果肉の境目に包丁の刃を滑らせて切り込みを入れておくだけで、食べる人が手で簡単に果肉を外せるようになります。来客時のおもてなしや子どものデザートとしても喜ばれる、最も実用的で簡単な甘夏の剥き方といえます。