教育現場やSNS、当事者の手記には、華やかな肩書とはかけ離れた赤裸々な告白が溢れています。都内複数の私立大学で非常勤講師を務める40代男性(文学博士)は、当時の生活苦について次のように語っています。
「月曜日から金曜日まで毎日違うキャンパスへ通い、週10コマを教えても手取りは月20万円を少し超える程度。夏休みや春休みの長期休暇中も給与が均等配分で支給される大学もありますが、半年契約の場合は長期休暇中の収入が途絶えます。学会参加費や学術書の購入費、論文の抜き刷り代など、研究を継続するための自己負担が年に30万〜50万円は消えていくため、日々の食費を削るしかありませんでした。」
また、国立大学の任期付き専任講師を務める30代女性(理学博士)からも、制度の歪みに対する切実な声が聞かれます。
「専任講師に着任して額面年収は約600万円になりましたが、5年の任期付き(テニュアトラック)です。任期満了までにトップジャーナルへの論文採択や科研費の大型獲得実績を残さなければ、次は無職になるリスクを抱えています。土日も研究室に泊まり込みで実験と論文執筆に追われ、精神的なプレッシャーを考慮すると決して恵まれた待遇とは感じられません。」