財務省が進めてきた国家公務員宿舎の削減計画は、東京の都市開発に甚大なインパクトを与えた。かつて港区青山や目黒区の一等地に佇んでいた老朽宿舎は次々と姿を消し、その跡地は民間不動産デベロッパーへ高額で売却されている。
売却によって得られた莫大な資金は国庫へ納付され、財政再建やインフラ投資の原資となった。しかし、その裏で官僚たちの住まい環境は都心部から郊外へシフトせざるを得なくなっている。練馬区や江東区、さらには埼玉・千葉県境に近いエリアへの再配置が進み、毎日の長時間通勤が若手官僚の精神的・肉体的負担を増大させているという側面も無視できない。