1990年代半ば、岩井俊二監督の作品で見せた彗星のような登場は、当時の映画ファンに強い衝撃を与えた。あどけなさと鋭さが同居した眼差し、どこか儚げでありながらタフな生命力を感じさせる佇まい。第20回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した当時のフィーバーは記憶に新しいが、彼女はそこで終わる一過性のアイドル女優ではなかった。
その後も単館系の名作から大作映画、舞台に至るまで、着実にキャリアを積み重ねてきた。役に自分自身を合わせに行くのではなく、役の人生そのものを静かに生きる。その愚直なまでの演技アプローチが、30年という息の長い俳優人生を支える強固な土台となっている。