大村崑と角界との結びつきを語る上で欠かせないのが、大横綱・白鵬翔をはじめとする名力士たちとの深い交友関係だ。歴代最多の優勝回数を誇る平成・令和の大横綱と、昭和の喜劇界を支えた大巨匠。世代も分野も異なる二人を結びつけたのは、互いの道に対する深いリスペクトであった。
白鵬が現役時代、決定戦や大一番を前にプレッシャーと戦っていた時期、大村は控えめながらも温かい励ましの言葉を送り続けたという。また、場所後のパーティーや私的な集まりの場では、大村ならではのユーモアあふれるトークで横綱の緊張をほぐし、笑顔を取り戻させたという逸話も残されている。土俵上での孤独な戦いを知る横綱にとって、芸能界の酸いも甘いも噛み分けた大村の存在は、かけがえのない心の支えであったのだ。