木材としての物理的性質を比較すると、木材の硬さと耐久性において明確なキャラクターの分担が見られます。比重を比べると杉は約0.38、檜は約0.44と檜のほうがやや重く、組織が緊密に詰まっています。この密度の差が、柱や土台としての耐荷重性や狂いの少なさとなって現れます。
特に水回りにおける性能差は顕著です。古くからヒノキ風呂と耐水性の高さが広く知られている通り、檜の心材には「ヒノキチオール」や「αピネン」といった強力な抗菌・防虫・防腐成分が豊富に含まれています。湿気や水滴にさらされても腐朽菌が繁殖しにくく、白アリを寄せ付けにくい特性を持つため、神社仏閣の構造材や浴室材として重宝されてきました。
対する杉も水に弱いわけではありません。杉の心材(赤身と呼ばれる中心部)は水に強く、酒樽や外壁の下見板として長い歴史を持ちます。ただし、檜ほどの強い硬度や防蟻性はないため、構造の要には檜、足元や内装には杉といった適材適所の使い分けが行われます。