まず基本を押さえておくと、手代の読み方は「てだい」です。言葉の語源・由来は文字通り「手の代わり」、すなわち「主人の手の代わりとなって実務を代行する者」という意味から来ています。古代から中世にかけては公家や武家の家人・代弁者を指す言葉としても使われていましたが、江戸時代に入って商業が飛躍的に発展すると、商家における確固たる「役職名」として定着しました。
江戸の商家において、手代は単なる店員ではありません。後述する丁稚や小僧といった見習い期間を10年以上耐え抜き、読み・書き・そろばんの基礎能力はもちろん、接客態度や商談スキルを認められた者だけが就任できる「一人前の職業人」のスタートラインでした。