一度線維化して硬くなってしまった肺組織を完全に元のやわらかい状態へ戻すことは、現段階の医療技術では難しく、医学的な意味での間質性肺炎の完治の可能性は決して高くありません。しかし、だからといって「治らない=諦める」という意味ではありません。現在の治療目標は、肺機能の低下を極限まで食い止め、健康な人と変わらない寿命を全うすることにシフトしています。
治療の中心を担うのが、特発性肺線維症をはじめとする進行性線維化を伴う間質性肺炎に用いられる間質性肺炎の抗線維化薬(ピルフェニドンやニンテダニブなど)です。これらの薬剤は、肺の線維化を進める細胞のシグナル伝達をブロックし、肺活量の低下スピードを約半分に抑える効果が臨床的に証明されています。
さらに近年では、副作用を抑えつつ高い効果を発揮する新規分子標的薬や吸入型薬剤の研究も進展しており、間質性肺炎の進行を遅らせる選択肢は年々広がっています。「完治させる」ことだけを目的にするのではなく、「進行を抑え込んで病気と共存する」アプローチこそが長寿への王道です。