歌舞伎界という伝統と格調が高く求められる世界において、彼女が果たしてきた役割は極めて大きい。現在、三田寛子は家庭での多忙な日々をくり回しながらも、テレビやラジオ、雑誌などのメディア出演を精力的に続けている。芸能界での長年のキャリアで培った親しみやすさと、梨園の重鎮の妻としての品格。その二つが見事に同居する稀有な存在として、制作者側からの信頼も抜群に高い。
舞台の裏方として夫や息子たちを支え、劇場のロビーで贔屓筋にあいさつを回る姿はまさに極上の「女将さん」そのもの。一方で、カメラの前に立てばパッと場を明るくする天性のタレント性を発揮する。この切り替えの鮮やかさこそが、彼女が長年にわたり愛され続ける最大の理由だろう。