大阪市立美術館の成り立ちを語る上で欠かせないのが、住友家第15代当主・住友春翠(第15代住友吉左衞門)の存在だ。美術館が建つ天王寺公園・茶臼山の一角は、かつて住友家の本邸が構えられていた由緒ある地であり、邸宅敷地とともに寄贈された名庭園「慶沢園」が今も隣接する。
春翠の卓越した鑑識眼によって蒐集された中国絵画や青銅器をはじめとする東洋古美術のコレクションは、世界最高峰の質と量を誇る。今回新設された特設ギャラリーでは、これら至高のコレクションが東アジアの美の潮流を立体的に物語るように配置され、古美術愛好家のみならず、現代アートに関心を持つ若い世代の知的好奇心をも強く刺激している。