深夜、スマートフォンの画面をスクロールする指が止まる。定価の70%オフ、残りわずか、本日限定。こうした煽り文句に背中を押され、私たちは「買わないと損をする」という錯覚に陥る。Amazonや楽天市場といったEコマースプラットフォームの普及は、買い物を劇的に便利にした一方で、粗悪品を掴まされるリスクを日常のすぐそばに引き寄せた。
消費者庁や独立行政法人国民生活センターに寄せられる相談件数は高止まりを続けており、極端な値引きを謳うオンラインショップでのトラブルや、届いた商品の品質が著しく低いといった事例は後を絶たない。レビュー欄に並ぶ不自然な高評価を見抜けず、届いた粗大ゴミの前で立ち尽くす消費者の姿は、もはや珍しい光景ではなくなった。アルゴリズムが個人の購買意欲を的確に刺激する現代において、衝動買いのハードルは極限まで下がっている。